米加工品のあれこれ

古くからあったお米の加工品

お米を大切にしてきた日本では、ごはんや料理に使って食べる以外にさまざまな形に加工し、いつでもどこでも食べられるように工夫してきました。その代表的なものが「おもち」です。おもちはもち米を蒸してついたもので、もち米を粉にしてつくる「ういろう」や「白玉団子」と呼ばれるおもちもあります。また、うるち米を使ったお菓子としては「せんべい」や「団子」などがあり、「日本酒」もうるち米を原料にしています。これらの加工品は古くからつくられ、お米の豊かな風味を生かした伝統の味として今も愛されています。

受け継がれる伝統の味と技

お米から作られた伝統の味が今も守られ、愛されているのは、職人の熟練の技があるからです。その作り方をご紹介しましょう。

日本酒

日本酒は、お米と麹、酵母、水が原料です。微妙な環境の変化に影響を受けるため、杜氏(とうじ)と呼ばれるリーダーに率いられた、優れた酒づくりの技術を持つ蔵人(くらびと)たちによってつくられています。
1.麹つくり
精米してお米の外側にある脂肪やタンパク質などの不要な部分を取り除き、炭水化物だけにします。水で十分に洗い、水に浸して糖化されやすい状態にした後、蒸します。蒸し上がったお米を冷やし、一部にコウジカビを植えつけて繁殖させ、麹をつくります。麹のできばえが日本酒のおいしさを左右するだけに気が抜けない作業です。
2.酒母(しゅぼ)つくり
蒸したお米に、できあがった麹と水、酵母菌を加えます。麹がお米のデンプンを糖化させ、酵母がアルコールの発酵を促進させることで、日本酒の元となる「酒母」が出来上がります。
3.もろみつくり
酒母に、麹と蒸したお米、水を追加し、桶やタンクの中で発酵させ、もろみをつくります。もろみつくりは一度に行うのではなく、普通は3回に分けて行われるため、「三段仕込み」と呼ばれます。
4.原酒しぼり
もろみは約1カ月かけて熟成され、お酒へと変身します。そのもろみをいつしぼり、お酒と酒粕に分けるかは、杜氏が慎重に見極めます。こうして出来上がったお酒は10日ほどかけて固形物を沈殿させ、品質を保つために約55度に温めて殺菌されます。こうして約100日をかけて、香り高い日本酒ができあがります。

せんべい

余ったお米を保存するために蒸してからつぶし、丸めて干したことが始まりとされています。ぱりっとした食感、お米の甘みとうま味が凝縮された味は、飽きがこないおいしさです。
1.洗米
精米したお米を洗った後、水にしばらく浸します。
2.生地づくり
お米を細かく砕いて粉にし、蒸します。お米によって水分量やデンプン質が異なり、どれぐらい蒸すかなどは熟練した職人の勘が頼りです。蒸したお米を練り、あら熱がとれるまできれいな水で冷やし、冷めたら生地を薄く伸ばして型抜きします。その後、時間をかけて生地の中までしっかり乾燥させます。
3.焼き上げ
完全に水分が抜けた生地を1枚ずつ網の上に乗せて焼きます。生地の状態を見ながら火加減を微妙に調整し、生地が膨らまないように「押し瓦」と呼ばれる重しで押したり、生地をひっくり返したりしながら丁寧に焼き上げます。焼き上げた生地は、熱いうちに刷毛でしょうゆなどを塗って味付けします。

団子

うるち米をあらかじめ石臼や製粉機で粉にしたものを使ってつくるのが、団子です。粉にすることで、粒のまま食べるのとは異なる豊かな味わいが生まれます。シンプルな作り方だけに、材料選びから手間暇を惜しまない職人の技がおいしさにつながります。
1.お米選び
うるち米を粉にしたものは上新粉と呼ばれ、一般にはこれを使って団子がつくられます。しかし、味にこだわる職人はお米選びから始めます。やわらかく、それでいて弾力とコシのある団子をつくるために品質の良いお米を厳選し、米ぬかなどを落とした後、石臼や製粉機でひいて粉にします。
2.生地づくり
ひいたお米の粉をその日に使用する分だけ蒸し、しっかりついてなめらかにします。これは、お米に含まれるデンプンが時間が経つにつれ老化して硬くなるためです。その後、丸めて形を整えます。
3.味つけ
蒸した段階で砂糖を加えてつくとシンプルな甘い団子ができあがります。また、砂糖を加えることで硬くなりにくくなります。他にも、しょうゆと砂糖などで甘辛く味付けしたり、小豆を煮て砂糖で味付けしたあんをのせたり、いろいろな味わい方があります。